退居時の掃除はどこまで?費用は? 立会いって必要?

アパートやマンションから退居する時に、多くの人は荷物の搬出が終わったら掃除をしてから退室しているかと思います。
数年間にわたって住んでいたら、汚れもこびりつき、大型家電の後ろなどには見たことのないくらいの埃がたまっていることもあります。
荷物搬出後にはすぐにでも出発したいものですが、大きな埃を見ると放っておくことはできないかと思います。

しかし、賃貸住宅では入居時の契約で、退居した後にクリーニング業者によって掃除がされることになっていることが一般的です。
では、どの程度きれいにして退室すればよいのでしょうか。

部屋

借主には「善管注意義務」(民法第644条)というものがあり、入居契約時に引き渡された部屋に対して注意を払って使用し、管理しなければいけないのです。
ですからキッチンまわりの油汚れや水垢、お風呂やトイレ、サッシなど、できる限りのところはきれいにしておきたいものです。

また、家具や家電を置いていた場所には形が残ってしまうことがあります。
例えばエアコンやテレビ、冷蔵庫などの家電が設置されていたところのクロスは熱と埃で汚れています。
和室の畳は家具を置いていた場所の色が日焼けなどにより他のところと違っていたり、
リビングなどのフローリングは普段の生活でついてしまった傷やへこみがあるかもしれません。

このような自分では回復できないような状態のものは、退居後にクロス貼り替え業者が入ったり、表具店が入ったりすることになります。
どの程度、クロスを貼り替えたり畳を入れ替えたりするのかは、大家さんや不動産会社が状況を見て判断するのですが、その際に借主が立会う場合があります。

立会いのポイントは、修繕箇所の負担が適正であるかどうかというところにあります。
壁紙張り替え費用などが借主側に過剰に請求されてしまうことがあるので注意が必要です。
従って、立会う際には、汚れや傷がどのように発生したものか説明できるようにしておきましょう。
もっと言えば、入居の際に両者立会いのもと傷や汚れがないかをチェックしておくのがよいでしょう。

敷金は返ってくる?

お金

敷金とは保証金のようなもので、入居時に家賃の1か月~3か月分を支払うものです。
これは、借主が家賃を滞納したり、退居の時点で破損させたり汚したりして修理が必要な場合にそれらに充てられることになっています。
家賃滞納などの債務不履行がなかった場合は、その納めていた敷金は退居後、借主に返金されることになります。
借主には敷金を返還請求する権利があるのですが、全額戻ってくるのかといえば、現実にはそうではありません。

実はこの敷金返金にまつわるトラブルは多く、借主に不利なのが現状です。
そこで国土交通省では原状回復をめぐるトラブルとガイドラインという、原状回復に関するトラブルの未然防止策を作成しています。
これによると、傷や汚れなどが
「通常の住まい方や使い方をしていても発生すると考えられるものだが、住人の手入れや管理が悪く損耗等が発生、拡大したと考えられるもの」
「住まい方や使い方次第で発生したりしなかったりすると考えられるもの」
については借主に原状回復義務があるとしています。

つまり、借主の使用状態や管理状態が悪ければ、修繕費用は借主が負担するということになります。

またクロスや設備などは消耗品と考え、年数が経つほどに価値は下がっていくという「減価償却」の考え方を取り入れています。
従って、退居後に修繕が必要な場合、入居年数が長いほど借主の負担割合は少なくなります。

気になるのは、この敷金がいつ返ってくるのかということですが、その返却時期については退居後1か月から2か月後になるのが一般的です。
きちんと返金してもらうためにはコツがあることを覚えておきましょう。

※民法改正案が閣議決定したため、
「敷金」は「家賃などの担保」と定義され、
敷金は、契約終了後に返還義務があることになり、
通常の使用による傷みや経年劣化については修理しなくてよいことになりそうです。

民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案 – 法務省

退居トラブル☆法外な費用を請求されたら?

怖い

退居時のトラブルで多いのは、修繕費の請求と敷金の返金についてです。
賃貸契約書では、退居の際のクリーニング代については入居者が負担するとされていることが多いため、
返金される敷金は、このクリーニング代が差し引かれています。

また入居中、故意に破損させた部分についての修繕費も差し引かれています。
しかし現実には、経年劣化によって減価償却されるべき部分の修繕費用が借主に請求されている場合が多くあります。
返却されるべき敷金から必要以上の修繕費が差し引かれているということなのです。

例えばクロスの貼り替えの場合、タバコのヤニによって汚れた部分は借主負担となり、日焼けなどによる自然な消耗については貸主負担となります。

しかし、貸主が負担するべき部分までもが敷金から引かれているということが現実にあるのです。
それだけでなく、クロスのグレードアップをはかり、敷金だけでは足りないと過分に請求するという悪質なケースもあります。

このようにルールから逸脱した法外な修繕費用を請求されるような場合は、国民生活センターや弁護士などに相談して、
貸主ときちんと交渉するようにしましょう。

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